プジョー106の秘密のガレージ

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「アルジャーノンに花束を」もしくは顛末記


アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)

アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)


アルジャーノンに花束を


知的障害を持つ主人公が、
知能増強の手術をうけ高い知能を手に入れる。


しかし、
その手術には欠陥があった。


手に入れた高い知能はいずれ退行してしまうということを、
主人公は知ってしまう。


彼は退行(もとに戻る)を阻止する方法を探す。


天才的な頭脳をもって計算する。


そして、皮肉にもその天才的な頭脳での計算により、


退行を阻止することが不可能であることを知ってしまう。


・・・


せつないの〜(T T)



2011年7月17日正午ちょっと前。


そんなことを考えながら大島大橋をトボトボと走っていた。


・・・


あまりにも意味不明なんで、話を3時間ほど前に戻そう。



7月17日西海市トライアスロン


酷暑におけるトライアスロンは初めて。


暑さに弱いわたしにとって厳しい大会になるのは、
目に見えていた。


ただ、昨年(秋)に同大会をがんばって、
ぎりぎりながら完走していたんで、
完走できるだろう・・・


って、


あわい(甘い)期待を持っていたのは事実。



道具一式をバッグにつめて、
トランジションエリアへ。



今日も一日、倒れない程度に頑張りましょう!!


・・・


ウェットスーツに着替えてスタート地点へ。



ちなみに、


今年は、


実は、



海で泳ぐのは初めてです!!(- -;)


・・・オイオイ


9時6分。
第四ウェーブスタート。


みんな行ってしまった後にゆっくりスタートするつもりだったのに、
スタート前に、なんか知らんがかこまれてしまい、
なんだかんだでバトルに巻き込まれてしまった。
(低レベルなバトルですけど)


かかとをつかまれて横向きにされたり(それはあんまりだろ〜)
コース修正のために突然横切られたり。
頭を殴られたり(笑)
ハンマーヘッドキックを(頭に)お見舞いされたり(怒)


さながら水中の格闘技ですな。


でも、泳力に差があるため、
普通に置き去りにされる。


しばらくすると周りに誰もいなくなるんで、
落ち着いて泳いだ。


それでも、
おととしや去年よりは格段にスムーズ。
あとでわかったことだけど、
スイムのタイムは去年より2分速い。


今年はスイム制限時間が50分から60分に変更されたため、
失格の心配はしていなかったけど、


無事関門突破。


ただ、上陸した瞬間から始まる絶望感と、
半端ない疲労感。
そして吐き気。


これらを自転車で走りながらおさめていかないといけない。
けれど、吐き気はおさまってくれるのか??



バイクスタート。


??


お!!


AUさんたちがいた。


大島応援サイクリング開催中。


応援ありがとうございますm(_ _)m



(画像はAUさんのブログから転載)


バイクでは、
吐き気との戦い。


足の疲れもありはするけど、
スピードを阻む最大の敵はこの吐き気。


吐き気をおして微妙に攻めた。
結果的にバイクタイムは去年より7分速かった。
が、吐き気が最後まで収まらず。


そしてランへ。


ランは10キロ。


残時間、


1時間30分。


吐きそうになりながらも補給食をとった。


PowerBar(パワーバー) POWERGEL Green Apple

PowerBar(パワーバー) POWERGEL Green Apple


パワーバー


まず〜い〜(- -;)


でもよく効く(笑)


バイクの激坂区間
ハンガーノックの兆候があったんで、
降りてパワージェルで補給した。
ハンガーノックは回避できた。


ランスタート。


うわ、


足が棒のようだ(- -;)


足にも魂があるとするならば、


足の魂はどっかいってしまったらしい。


なぜかあの唄があたまの中に鳴り響く



ただの心し〜か〜もたなあい〜
やせた猫になあ〜っても〜


いやいや痩せちゃいないでしょ(^ ^;)


ただの心しかもたない太ったゾンビでしょ・・・


ゾンビは歩いた。


いや、誤解を恐れずにいうならば、
歩いちゃいない。


走っていた。


係員が言う「大丈夫ですか??(- -;)」


こんなもんですよ(- -;)


大丈夫じゃないわけではなく・・・


言おうとしてやめた(笑)


・・・


はたして、


足の魂はもどってくれるのか。


スタートしてすぐに上り。


しばらく上るようだ。


足の魂は帰ってこないかもしれない。


吐き気君、君はさってくれてもいいんだよ(笑)


・・・


上る上る


暑い暑い、


照り返しも暑い暑い。


下向いて走ってた。



「YASUさんファイト!!」



顔をあげると


てれすけさん!!


ありがとうございます。


さすが、強いな。


ZENさんとも挨拶。


はるか前方を走っている方々だけど、
同じコース上で会えると嬉しい。


1キロ経過。


スプリットを見る。


これは・・・


2キロ経過。


スプリットを見る。


(- -;)



身体の現状、


この先の消耗具合、


スプリットタイム。


それらを計算してゴールタイムをはじき出す。



・・・


3〜4分足りない(- -;)



このまま、精いっぱいがんばっても、
制限時間内に完走するには3〜4分足りない。


わかってしまった。


10キロを90分以上かかるのか??



それってありえね〜!!



って、お思いでしょう。



たしかにあり得ません


それが人間ならば。



その時の私はゾンビでした。



ただの心しかもたないゾンビでした。


(笑)


あと3分くらい無茶してなんとかしろ!!


って、心の中で誰かが叫んでましたが、


無視しました(笑)



ただ、


アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)

アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)


自分の計算で自分の行く末を知ってしまった、
主人公の気持を想像すると、


切ないの〜(T T)


計算により完走できないことをしってしまった私も、
ちょっと切なかった(笑)




大島大橋をトコトコ走りながら、
妙に切ない曲が頭のなかで鳴り響く。







ふと気づけば、周りにだれもいなくなった・・




さてどうしようかな・・・




許されるならDNF(DO NOT FINISH)ゴールを目指したい。
つまり、


ゴール地点までは走りたいってこと。





決めた。



行こう。



許してくれたらの話だけと。





橋の上でAUさんたちと再会。


ゴールに向かう励みになった。




足の魂は戻らず。


スピードはスタート時からまったく上がらず。


これ以上は落ちようもないけど(笑)




給水所に立ち寄る。



中学生たちがわらわらとよってくる。


スポンジを渡される。


水を渡される。


アクエリを渡される。


水をザバザバかけられる。




・・・おかしかった。



すっごいサービス(笑)


有無をいわさず水をかければ、
おこるランナーもいるだろうけど、
私はありがたかった。


「やめたい」


沸き起こる気持ちも
ザバザバ水をかけられるたびに吹き飛ぶ(笑)


給水所ごとに、
よんでもないのにやってくる。
ザバザバ水が(笑)


おそらく、


酷暑の中を、
1時間40分近くもトコトコ走り、


それでも気持ちが折れず、
リタイヤせず、
熱中症にもならなかったのは、


あのザバザバ水のおかげだと、
真面目に思い返している。



感謝です。



あと3キロ。


暑さは増すばかり。


3〜4分オーバーのつもりだったけど、
もう少し多くかかりそうだ。



監察車が並走しだした。


最終ランナーに近いんだな。


監察自転車も並走しだした。


???


なんか係員どうし叫んでいる。



「最終で〜す!!」


(- -;)



ええ??


最終なの??



疑いようもなく、私が最終ランナーだった。



監察の方、


スタッフの皆様、


ゴールまでよろしくお願いしますm(_ _)m




「マイペースで!!マイペースで!!」


迷惑かけないようにと、
若干無理してスピードをあげてしまったのか、


その無理を察知した
監察の方が私を叱咤した。


ありがとうございます。


残り2キロをすぎてからの上り下りは正直つらかった。


でも、沿道の熱い応援と、
ザバザバ水。


気持ちが切れることはない。


残り1キロ。


歓声と、喧噪につられた少年2人が、
私の後について走っていた。


彼らはゴールまでついてきた。
けっして冷やかしではなく。
この雰囲気を味わいたかったようだ。


ゴール地点。


最終ランナーだけに、
アナウンスの声が大きい。


記録には残らないことを説明したうえで、


普通のゴールのように、ゴールテープを張って
迎えてくれた。


終わった。


終わった。


終わった。



ありがとうございますm(_ _)m



つらい戦いで、
完走もできていませんが、
結果には満足しています。


この顛末をはずかしいとは思ってません。



続けていれば、いずれまた、完走するチャンスはあるでしょ。



ただ、


アイアンマンへの道は遠いなあ・・・



それも、


続けていれば、チャンスはあるでしょ。



参加されたみなさん。
スタッフのみなさん。
応援してくださったみなさん、


ありがとうございました。


いつになく長文(駄文)ではありますが、
最後までよんでくださりありがとうございます。



公式記録


DNF(DO NOT FINISH)


非公式記録


スイム47分20秒
バイク1時間36分4秒
ラン1時間37分23秒
トータル4時間47秒(制限時間3時間54分)